9.スナップ写真を面白くする3つのポイント(大分でのスナップ作例)

どうも。

以前スナップ写真について記事を書かせていただきました。

mono-100.hatenablog.com

前回お、と気になるものを撮ればいいよーって記事書いたんですけど、なんかつまんないなーとかもっと上手く撮りたいなと思っている人がいれば参考に…なればいいな。

 

 1.スナップ写真を撮り始めたきっかけ

 最初カメラを買ったとき、風景写真をメインに撮ってました。

休みの日や大学が始まる前、終わった後にカメラと三脚かついて撮りに行ってました。

風景写真をメインで撮るのをやめたのはいくつか理由がありまして…

一つは上手く撮れなかったこと。一緒に撮りに行ってた友人のほうが風景写真が上手くて、こいつには勝てないなと自覚してしまって。

もう一つは似たような写真になってしまうこと。

現像(パソコンでの編集)で多少は違ってくるんでしょうけど…

instagramtwitterで○○(地名)と検索したら似たような画角、構図の写真がたくさん出てきます。

そんな中で際立った写真を撮るやる気はなく、風景写真はメインでは撮らなくなりました。

 

スナップ写真は違います。

撮り手が何を面白いのかと感じるのは千差万別です。

どの画角のレンズを好むのか、街中の何を切り取るのか、そういったものは個人の趣向によるところが大きいです。

私なら足元や人の背中を撮るのが好きですが、正面から顔を撮る方もいます。

モノクロで撮る人もいればカラーで撮る人もいるし、ハイキー(露出高め)気味に撮る人もいればアンダー(露出低め)に撮る人もいます。

何が正解で何が不正解なのかがないのが難しくもあり、楽しくもあります。

まあ、風景写真のようなインパクトはないのでそこまで華のあるジャンルではないのが悲しいですね…

 

スナップを撮る面白さに気付かせてくれたのは、ソール・ライターの作品集です。

 

All about Saul Leiter  ソール・ライターのすべて

All about Saul Leiter ソール・ライターのすべて

 

 これ買いました。

構図といい、色といい、言葉に表せないほど良いです。エモいです。

何度も読み返しては撮りたいなと思いますが、無理なんですよねー。

日々是鍛錬。

 

2.スナップ写真を面白くさせる要素

スナップ写真撮っても撮ってもおもしろくないな…と思う時期がありました。

なんでなんの変哲もない写真になるんだ?

旅行に行って撮った記録的な写真なら全然かまわないんですが、作品として撮りたい。私以外の人が見ても面白いと感じてほしい。

色々な本やサイトを見て勉強をしました。

そこで私が学習し、意識するようになったポイントは3つあります。

 

メッセージ性・物語性

構図

 

それぞれ順に書いていきます。

 

光の種類は時間によって変わります。

早朝、午前、午後、夕方、夜。

それぞれ光のかたさや色、差し込む角度などは違います。

柔らかい光のスナップが撮りたければ朝行けばいいですし、影を利用したシルエット写真なら夕方撮りに行けばよいです。

…とこのくらいの知識はあったんですけど、全然面白いスナップ写真が撮れませんでした。

何が足りないのか。

それはも意識することでした。

 

DSCF2246-2

このように影を入れることで光がより目立ちます。

この写真を撮ったときは差し込む光を探しました。そこでカメラを構えて待ち続けました。

 

DSCF1008-2

 これも陰で区切られる光を探しました。

 カメラをひたすら構えて一瞬のシャッターチャンスを待ちます。

 

DSCF1016-2

斜めに入ってくる光が花を照らします。影があるからこそ光が目立ちます。

 

まとめると

光だけでなく影も意識すること

 

メッセージ性・ストーリー性

 

DSC01859-4

これは私が以前あるフォトコンで優秀賞をいただいたときの写真です。

春の陽気な日差しの中、着物姿の女性たちが楽しそうに歩いています。

特に右端の女性は手を開き嬉しそうにしていますね。

 

メッセージ性・物語性とはその写真を見ただけでどんな状況なのかを想像できることです。

これを表現できると本当にいい写真になります。

 

DSCF1767-3

これは正直ボツかなと思っています。

神社に向かう巫女さんの写真です。メッセージ性・物語性があるように見えますが、この写真の中にあるのは事実だけです。

写真を見た人は巫女さんが歩いてるわあという感想しか抱けません。

一つ上の着物の女性らの写真と違って、小説のように見て頭の中に浮かんでくる思いが足りないのです。

これが例えば階段を下りる巫女さんが険しい顔をしていたら評価も変わっていたでしょう。

 

DSCF1484-2

ポケットに手を入れ、うつむきながら歩く少年。

何か悲しいことがあったのか、それとも何か覚悟を決めたのか。

光と影のコントラストによって楽観的にも悲観的にもとらえられますね。

 

DSCF1927-2

海を見つめる親子。海の中には何かいるのでしょうか。  

 

DSCF2346-2

この写真は小さい少年が胸を張って勇ましく歩いています。

周囲には見守る人たちが。何かこれからこの少年は行事を行うのでしょうか。

 

報道写真はこのメッセージ性・物語性を突き詰めていったものですね。

ピューリッツァー賞の作品は見た瞬間に胸を撃たれます。

http://www.photomarket.org/

背筋がぞくぞくするほど生々しい現実を見せつけられますね。

日常のスナップ写真においてそんな激しいメッセージ性・物語性のある写真なんて撮れませんが、写真を見たときに何かしらの気持ちを抱かせることが出来ればいい写真と言えます。

 

じゃあどうやって撮ればいいんですかって話ですよね。

まずいいなと思った被写体がいた場合、例えば人なら手足・姿勢などを意識してください。手足が開いている、ポケットに手を入れている、胸を張っている、猫背である…そういったところからメッセージ性・物語性が生まれてくることもあります(絶対に生まれるわけではないです)。

 

まとめると

写真を見たときに頭に物語が浮かんでくるようなメッセージ性・物語性を生み出すこと

そのためには被写体をよく観察し、細部にこだわること

ちなみに最後以外の写真はトリミングしていますし、最後の写真はピントが若干外れています。1枚目はオールドレンズで撮ったので画質も悪いです。

そんなの関係ねえ そんなの関係ねえ

 

構図

上記のメッセージ性・物語性と関連させるのは難しいときがありますね。

 

DSCF2164-2   図形的にとらえる写真です。

この写真は柱によって分割された空間にそれぞれ違うものが入るようにしています。

右は電柱とエクセルのような壁、真ん中は少女、左は陳列してある服。

柱によって連続した空間を分割し、それぞれを異なる空間にしています。

メッセージ性・物語性は少ないですが、日常の私たちが意識しない空間的な、図形的な要素を認識することができます。

 

DSCF1848-2

男性3人が同じように足を広げている絶妙なタイミングをとらえています。

また濡れた地面に反射してひし形のような形になっていますね。

 

DSCF1821-2

二人の女性が同じような歩幅で左右対称に近い形で足を広げています。

この二人はそれぞれ3つの壁で区切られた2つの空間に配置されています。

 

DSCF2247-2

 基本的には3分割構図、日の丸構図、2分割構図を意識しています。

この写真では光の縦の線が写真を2分割するように通っています。

ちなみにレンズはフルサイズ換算50-90mmくらいで撮ってます。

切り抜くなら50mm以上が良いですね。

 

こういった写真は理解することも撮ることも難しく、まだまだ勉強途中です。

ネットにはもっと上手い方がいらっしゃるので調べてみて下さい。

私は海外の写真家のスナップ写真をinstagramでよく見ています。

ソール・ライターの作品はお勧めですよ。

 

まとめると

日常の中にある図形的な要素を切り抜き、普段見ている日常とはかけ離れた一瞬を切り抜く

そのためには柱や窓枠で空間を切り抜いたり、歩いている人のどの瞬間を切り抜くのかを考える

作例を見て学ぶ、まねる

 

大分スナップ作例

DSCF2261-2

 

DSCF1502-2

 

DSCF2223-2

 

DSCF2208-2

 

DSCF2260-2

 

DSCF0938-2

 

DSCF0932-2

 

シンプルにするためにメインの3要素に絞って書いていますが、本当はあと

色 被写体との距離 どこにピントを合わせるか 

絞り シャッター速度 現像のポイント

など細かいところはあります。

こちらはおいおい書いていこうかなと思います。 

ではまた。